奈良市から車で30分ほどの茶畑の中のとある事務所で、
久しぶりに
角山栄・著「茶の世界史―緑茶の文化と紅茶の社会」(中公新書)の
頁を開いてみた。
16世紀に日本を訪れたヨーロッパ人たちが
インドでも中国でもない、
日本の「茶の湯」文化の洗練に想像を絶するほどの憧れを抱き、
そのコンプレックスが近代化の原動力となり、
やがては、日本を含む世界を征服するうねりとなった。
そんな深いことが書かれてある本。
「肉食の思想」(鯖田豊之・著)
「逝きし世の面影」(渡辺京一・著)と並んで、たまに読みたくなる本。
有機栽培専門の茶農家さんが作った極上の抹茶をいただいた。
Macのキーボードの上に置いてみると、
それが何故かとても自然な感じがした。
スティーブ・ジョブズが日本の禅に傾倒して、
茶を飲んでいたらしいという話を聞いた。
豊かな未来を作るはずの原子力の技術が逆に人類を危機に陥れ、
資本主義経済の破綻も語られる今。
いま、また歴史の中心に日本の茶があるのではないかと、
根拠はないが、思ったりしている。
そんな話はともかく、この茶は旨かった。
いいね。茶は。